はじめよう!eワラントの銘柄選び

対象とするのは株式だけではないeワラント

いままで、株式を対象としたワラントを中心に解説してきましたが、eワラントは株式だけでなく、日経平均のような指標や為替相場、外国証券などを対象にしているものもあります。

・個別株式を対象としたもの
三菱東京UFJ銀行、ソフトバンクなど個々の株式を対象としたeワラントです
・株価指数対象のもの
日経平均やトピックスのほか、海外の株式の指標(アメリカのダウやナスダック、韓国市場の指数など)もあります
・為替を対象としたもの
米ドルやユーロなど、日本円との為替相場に連動したもの。日本円が基準となるので、コールは円安、プットは円高を表す
・個別の外国株式を対象としたもの
アップル・コンピュータやグーグルなど外国(おもに米国)の個別の株式の動きに連動するもの
・バスケットワラント
市場で話題のある事柄の銘柄をまとめてバスケットにする。それら全体の価格の変動により、値段が決まる
・商品や商品先物と連動するもの
原油や金などの商品の価格と連動するもの
・その他
インド株や中国株の指数に連動したものや、不動産投資を対象としたREITの価格に連動したタイプなどがあります

このなかで分かりにくいのは、「バスケットワラント」でしょう。これは『郵政民営化バスケット』『消費税駆け込み需要バスケット』のような名称で発売されています。郵政民営化により メリットを享受すると思われる銘柄群などを対象としたバスケットeワラントです。構成銘柄の株価が上昇すれば利益が期待できるコール型と、構成銘柄の株価が下 落すれば利益が期待できるプット型の2タイプがあります。

郵政民営化バスケットには、「ローソン」「クレディセゾン」「日本通運」など郵政民営化に関係の ある銘柄が、5%から11%の割合で含まれていて、それぞれの株価の値段と含まれる割合によりワラントの価格が決まります。実態があまりはっきりしていな いため、それほどおススメはできないのですが、市場全体が上がり相場のときのコールはお買い得かもしれません。

いずれにしても、株式や為替、金相場など自分の得意とする分野に投資が、しかも少額からできるのでぜひともチャレンジしてください。

そのほか、『ニアピン』と『トラッカー』ワラントもあります。ニアピンは別のページで解説しています。トラッカーについてはレバレッジのないワラントのため、このサイトでの解説は割愛します。

 

対象とする銘柄が決まったら、eワラント選び

例えば、「みずほ」がこれから上がると思ったら、「みずほ」の株式を対象としたeワラントを探してみましょう。

上の図はSBI証券で、「みずほ」のワラントを表示させてみたものです。“幸運なこと”に「みずほ」を対象としたワラントは販売されていまし た。今回は、上がると思っているので、左から2列目の「コール」の中から選ぶことになります。なんども書いていますが、上がると思えば「コール」、下がる と思えば「プット」です。

では次に、ワラントの価格を見てみましょう。ワラントの価格は左から5列目の上段、青文字で書かれている「売気配値」です。ワラントの売 買単位は1000なので、最低投資価格は売気配値×1,000となり、その倍数で取引できます(なんども書きますが、手数料はありません)。例えば、6銘柄目の「みずほ  第276回 コール」はワラントの単価が6.33なので、最低投資価格は6,330円となります。

さて、ここで、こんなに種類があるなかからどれを選べばよいかということになりますね。注目するところは3列目の権利行使価格と満期日、そ して4列目の実効ギアリングです。コールの場合、満期日に権利行使価格より株価が上であれば、価値が付き(値段が付き)償還されます。逆に、権利行使価格 より株価が下回れば、すべてを失うことになります。

と、ここまで書くと、ワラントを購入するなら現在の株価が権利行使価格に近ければ近いほどいいのではないのか?ということです。これはある意味あってい ますが、ある意味間違いです。というのは、ワラントは満期日まで持っている必要はぜんぜんないのです。むしろ、満期日まで持っていることはまれで、コール の場合、株価が上がり続けて下がる気配がなくてもうけ続けている場合か、満期日前に売却しても大損していたりする場合だけです。

満期日というのは、あくまでこの日まで取引ができるということであって、この日にどういった価格がつくかを予想するのがeワラントではないのです。

また、権利行使価格自体もそれほど、現在の株価との乖離(かいり)を気にすることはありません。満期日前であれば、(満期日が遠ければ遠いほど)権利行 使価格を株価が下回っていてもワラントの価格が付きます。ちなみに、この価格表の時点の「みずほ」の株価は211円でした。9行目の「第281回」は権利 行使価格が220円にもかかわらず、ワラントには値段が付いています。ただし、このまま「みずほ」Dの株価が1円も変化することなく推移するとすれば、ワラントの価値は下がり続け、満期日にはゼロとなります。

つまり、権利行使価格と満期日は基準になっているものの、目安と考えるべきでしょう。ただし、eワラントの値段を決める基礎となっていることは確かです。

ワラントは満期日が近いほど、権利行使価格に原資(株式など)の価格が近いほど劇的な動きをします。つまり、投資効果が高いということです。もちろん、 逆にいえば、リスクも高いということです。その効果を表すのが、左から4列目の「実効ギアリング」です。実効ギアリングとは簡単にいえば、どのくらいの倍 率で投資効果があるかということ。例えば6行目の「第276回」の場合は実効ギアリングが6.45倍ですので、1万円の資金で、りそなHDの株価を6 万4500円運用しているのと同じ効果となります。

さて、表中で実行ギアリングの欄が「–倍」となっている銘柄があります。これは現在のワラントの価格が低すぎる(権利行使価格と大きく乖離している、または満期日が近いのに乖離しているなど)で正しく実行ギアリングが算出できないからです。

つまり、価格が0.03程度だとたった0.01動いても30%の動きとなってしまいます。このレベルの価格のワラントが0.01動くのは相当大きな価格変動があった場合のみです。ワラントの価格は小数点以下2桁までですので、それ以下の小さな動きは反映されません。そのため、ギアリングが算出できないと考えます。

権利行使価格と満期日の関係
さて、上の表をよく見ていただければ分かると思いますが、同じ権利行使価格の場合、満期日までの期日が短いほど実効ギアリングが高くなっているでしょう。また、同じ満期日の場合、株価が権利行使価格と離れていれば離れているほど実効ギアリングが高くなる傾向があります。

簡単にいえば、実現不可能の度合いが高まれば高まるほど、投資効果は高くなるということです。これは、人気がなければないほどオッズが高くなる競馬と似ていますね。

1つの投資の考えとして、「りそなHD」の株価がこの先ゆっくり上がっていくと考えれば満期日が先のものを選び、劇的に株価が上昇すると考えるのなら、実効ギアリングが高いものを選んでみるのもいいでしょう。

ただ、eワラントは時間的価値というのが加味されますから、長期の投資には不向きです。株価の上昇スピードが時間的価値の下降スピードを 下回ってしまえば、仮に株価が上がり続けたとしてもワラントの価格は下がっていきます。eワラントは価格の上下が激しい銘柄に向いているといえます。

いつもは穏やかな値動きをする株式(例えばガスや電力株など)が劇的な動きをすると、ワラントはさらに劇的な動きをします。これはワラント価格を決定する要素の1つである「ボラティリティ」によるものですが、これについては用語集をご覧ください。

次のステップでは、取扱証券会社についてご紹介します。