満期日の対象銘柄の価格を予想することが目的だけど…
「ニアピンeワラント」は一般のeワラントのようにコール型やプット型があるのではなく、満期日の対象銘柄の価格がポイントになります。
簡単にいえば、この先、対象銘柄がいくらになるか、それを予想して収益を得るという商品です。
たとえば、このような商品があります。
- 銘柄名/回号:ニアピン日経平均r250/第855回
- ピン価格:9,750円
- 満期日:2013年6月19日
この商品の場合は、満期日の7月18日に日経平均が9,750円の場合、収益が得られるというもの。もちろん、9,750円ぴったり、つまり ホールインワンでなくとも、ニアピン=周辺であれば価格が付くものです。この場合は銘柄名にr250とあるように、上下250円の範囲であれば価格がつき ます(eワラントの価格付き方については、他のeワラントの解説ページをご覧ください)。一方、250円以上離れた場合、価値はゼロとなります。
満期日に9,750円ぴったりの場合は、ワラントの価格が100円となります。それから、1円離れるごとに0.4円(ぴたり賞から250円の範囲で価が付く。つまり、1円の違いは100円÷250=0.4となる)ごとワラントの価格は下がり、250円離れたところではゼロとなります。
たとえば、満期日に9,700円だったとすれば
100円 - (|9,750円(ニアピン価格)-9,700円(満期日の日経平均の価格)|)(差額の絶対値をとります)×0.4)
= 100円 -(50円×0.4) = 80円
です。
2013年3月21日11時の日経平均の価格は、1万2,625円でしたので、このワラントの売出価格は1.11円。日経平均の値よりかなり乖離しています ので、価格が安くなっています。ただ、満期日の6月98日に日経平均が仮に9,750円であればワラントの価格は100円となり、約90倍のリターン があることもあり得るのです。
他のeワラント同様、もちろん満期前の売却も可能!
さて、ニアピンeワラントの満期日は売り出し価格のだいたい1か月先が設定されています。ということは、売り出し早々に購入したとすると、その後1か月間なにもしないで満期日を待つのでしょうか?
いいえ違います。ニアピンeワラントも満期日前に売却が可能なのです。むしろ、満期まで所有するのはまれでしょう。
つまり、今後日経平均が上がると予想した場合、たとえば現在の値よりも約100円上のニアピンeワラントを購入します。その後、ニアピン値にもっとも近づいた金額で売却すれば、収益が得られるのです。
ニアピンeワラントは満期日における対象銘柄の価格を予想するのではなく、(満期日までの)今後の価格を予想するものだと考えればいいのです。いちばん、ピン価格に近くなったときに売ればいいので、まだまだあがるなどと考える他の銘柄よりも売却ポイントはわかりやすいでしょう。
ただし、待ちは禁物です。後述するようにワラントには時間的価値がありますので、時間が経てば経つほどワラントの価値は下がっていきます。売却ポイントを逃さないように注意しましょう。
考えようによっては、上げか下げの予想さえしっかりできれば、ニアピン価格に近づいたら売り、また、ほかの価格を購入してまた近付いたら売り…を繰り返して、かなりのわらしべ利益が出るかもしれません。
また、予想を間違えてしまった場合、損切りをすることもできます。ただ、ワラントの場合、損切りはしないのが原則ですが…。そのような手法もとれるということです。
時間的価値の減少に注意!
もちろん、このニアピンeワラントにも他のワラント同様、時間的価値というものがあります。
つまり、対象銘柄がボックス圏のようになり、ほとんど価格が動かなくなった場合、時間が経つにつれ(1日ごとに)、日経平均がまったく動 かなくても価値が減少していきます。ニアピンeワラントは日経平均がドラスティックに動くほど収益が得られるチャンスが多い商品ということです。